☆ジャンク度☆
不具合無し
撮影可能
「着るカメラ」であるカードサイズボディのエクシリムEX−S1が300万画素級になった。
金属製の質感高いボディもそのままだ。
特徴的なレンズ配置を活かしたスタイリング。
レンズが大きくなったおかげかレンズカバーを内蔵した。
このカードサイズがエクシリムブランドのスタートだった。
素晴らしく薄いボディ。
それなりに効果的なグリップ。
まさか、このデザインを踏襲して300万画素級まで進化するとは思わなかった。
出時代並みに光学ファインダー付き。
パワー不足に見えるが、十分に効果的なグリップ。
それにしても薄型のボディが際立つ。
階層メニューは以降のモデルも踏襲している。
エクシリムEX−S2から使い辛かったプッシュ式十字キーなどから操作系がかなり改善している。
SDカードの蓋もないのが本カメラのキャラクター性を際立たせて好感触。
バッテリーは見た目よりもタフなNP−20を採用する。
本カメラは革新的なスリムボディで市場にインパクトを与えたカシオのエクシリムEX−S1の後裔機である。後々まで続くエクシリムシリーズのネームシップとなる。レンズを思い切ってマクロモード無しの固定焦点(パンフォーカス)にしたが、金属ボディの高い質感が心地よく、何よりもレスポンスが良かった。当時のデジカメはそこそこフィルムコンパクトカメラに近くなったが、それでもまだもっさりとしたソープケースだった。そこに名刺サイズの金属製ボディである。当然のことながらガジェット好きは湧きたった。音楽プレーヤーとしての機能を搭載したエクシリムEX−M1やエクシリムEX−M2まで派生した。その辺りはエクシリムEX−S1やエクシリムEX−S2のコンテンツに記載してある。
明確なコンセプトでニッチな市場を沸かせるというのはカシオのポリシーである。そういう意味では200万画素級のエクシリムEX−S2を300万画素化した本カメラは正常進化と言えなくはない。しかし、本カメラの登場は2003年の3月であり、同時期に光学3倍ズームレンズを搭載したエクシリムEX−Z3が登場している。確かに本カメラに比べるとエクシリムは幅は厚くなったが、本カメラは固定焦点でつまり単焦点レンズだ。いくらボディが薄くなったとはいえ、流石に300万画素級の撮像素子では力不足が否めない。ちなみに、エクシリムEX−Z3とベースを同じくし、多くのユニットを共有するペンタックスのオプティオSは更に小さい。拙僧はまさかEX−S2/EX−M2の直系の後裔機が出るとは想像もしていなかったので、本カメラを発見した時は、ちょっと驚いた。
本カメラは良くも悪くも基本的にはEX−S2の撮像素子を300万画素級にブロウアップしたものだ。セセコマシいプッシュ式十字スティックが常識的な十字キー―になり、カシオの錦であるベストショット機能を搭載している。当時はそれなりにアドバンテージがあった。何しろ幾つかのシーンモードの選択の他は、何もできないコンパクトデジカメだって少なくなかったからだ。しかし、正直なところ、本カメラについて特別語ることは少ない。なので、コンテンツは前述のエクシリムEX−S1やエクシリムEX−S2/M2に譲りたい。
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それでエクシリムEX−Sシリーズは終焉すると思われた。ところがカシオの野心は留まらなかった。ボディの薄さを継承しながら、本当に光学ズームレンズを搭載したEX−S100やEX−S500などを市場に投入する。これらはエクシリムEX−S1時代からのNP−20を採用し、伸長する光学ズームレンズを搭載したデジカメとしては、信じられない位にスリムだ。
固定焦点のスピード感は失ったが、それ以上に非常識なカメラとしてシリーズは継承した。エクシリムEX−S500以降、シリーズはどうなったか知らないのだが、カシオは度々、市場を飛び道具で賑わした。